避妊・去勢 予防

犬や猫の避妊・去勢手術はしたほうがいいの?

犬や猫の避妊・去勢手術(以下 不妊手術)についてはどのようにお考えでしょう?
不妊手術に対して否定的な意見をお持ちの方に、その理由をたずねてみると
「病気でもないのに手術するのはかわいそう」・「将来子供を産ませるかもしれない」
などの答えが返ってきます。
また、「自然なままが一番良いと思う」とおっしゃる方もいらっしゃいます。
『不妊手術を何のためにやるか』についての情報をご存知でない飼主の皆様がこうした考えをお持ちになるのは、もっともだと思います。
しかし、そのような心情的理由だけ、あるいは正確ではない情報によって、愛犬・愛猫達に不妊手術を受けさせていないのだとしたら、それはやや問題があるのではないでしょうか?

以下に記す獣医学的な情報についても、飼主の皆様に知っていただきたいと私たちは考えます。
もちろん、これは不妊手術を強要するものではありません。最終的な判断を下すのは飼主の皆様です。
ぜひ正確な情報を身につけた上で愛犬・愛猫のために最も良い選択をしていただきたいと思います。

不妊手術の予防 医学的な意義

不妊手術をすることにより、以下のような病気を予防あるいは緩和することができます。

犬の場合

<オス>

  • 前立腺疾患(前立腺肥大、前立腺炎)
  • 肛門周囲腺腫(お尻にできる腫瘍)
  • 精巣腫瘍、精巣上体炎
  • 会陰ヘルニア

<メス>

  • 子宮内膜炎、子宮蓄膿症
  • 子宮ガン、卵巣ガン
  • 乳腺腫瘍(早期に不妊手術をした場合)
  • 産科疾患
  • 糖尿病

猫の場合

<オス>

  • 前立腺疾患
  • 精巣腫瘍、精巣上体炎

<メス>

  • 子宮内膜炎、子宮蓄膿症、子宮水腫
  • 子宮ガン、卵巣ガン
  • 乳腺腫瘍(早期に不妊手術をした場合)
  • 産科疾患

猫の場合は雌雄を問わず、不妊手術をするとあまりケンカをしなくなります。ですので他のネコのケンカで感染する恐ろしい伝染病(猫エイズや猫伝染性白血病)のウイルスをもらう可能性を減らすことができます。

不妊手術と乳腺腫瘍

犬・猫では早期の不妊手術が、乳腺腫瘍(悪性の場合は乳ガン)の発生リスクを大幅に軽減させることが分かっています。

<犬の乳腺腫瘍発生と不妊手術の関連性>
不妊手術実施時期 乳腺腫瘍発生率
初回発情前 0.05%
2回目の発情前 8%
2回目発情以降 26%

※2.5歳以降の実施では乳腺腫瘍予防効果はないといわれています。

<猫の乳腺腫瘍発生と不妊手術の関連性>
不妊手術実施時期 乳腺腫瘍予防効果
生後6ヶ月齢まで 91%
6~12ヶ月齢 86%
12~24ヶ月齢 11%

※2歳以降の実施では乳腺腫瘍予防効果はないといわれています。

 

費用について

犬の場合

<オス>

<メス>

小型(9.9kgまで) ¥18,000 ¥26,000
中型(19.9kgまで) ¥22,000 ¥30,000
大型(29.9kgまで) ¥26,000 ¥35,000
超大型(30kgまで) ¥30,000 ¥40,000

猫の場合

<オス>

<メス>

¥16,000 ¥21,000

※価格は税抜き価格です。

※メス犬の不妊手術の場合は、術後1泊程度の入院をおすすめしています。
その場合は、別途入院料(¥3,500~)がかかります。ご了承ください。

手術前の検査

当院では、手術をされる患者さんにはなるべく術前検査をお願いしております。
犬と猫の不妊手術は手技が確立されていますが、全身麻酔下で行うため、麻酔によるリスクはゼロではありません。より安全に手術を行うために、是非ご理解をいただけますようお願い申し上げます。

術前検査・・・¥6,000~

手術前の準備

・手術当日は、朝から絶飲・絶食(飲み物、食べ物を一切与えない)としてください。
・当日は、午前11時頃までに御来院ください。
・術後しばらくは、全身のシャンプーが出来ませんので、事前にきれいに洗ってあげていただくと良いかもしれません。

不妊手術は原則として、予約制になっております。予約は、お電話でも承っております。052-801-9095